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流れる雲に

仕事を終え外に出る。夕方だというのに、むっとする蒸し暑さに顔をしかめながら、
空を見ると、夏の雲の他に秋の雲をみつけた。
立秋だった。
案外、季節は正直なものかも。

子供の頃、昭和40年代の東京で少女の私は、
家の屋根の上の物干場で、まだ珍しい鉄筋の4、5階の友人宅の屋上で、友人と口をきかずに、
あかず雲を眺めていた。そんな時間が好きだった。
当時、雲には亡くなった人の魂が乗って、あの世へ行くのだと誰かにいわれた。
たぶん祖父母と同居している友人の一人だったかと。
黒く大きい雲は、きっと多くの魂が乗っているのだろうかと、畏怖の念とまがまがしいものを見る思いであったと思う。

2階の屋根から見る東京はまだ遠くまで見渡せて、北大塚のわが家から、まだ新しい武道館の屋根が見えていた。甍の屋根が続いていた。
他に大きいものはガスタンクばかりであった。

懐かしい。そして、失われて久しい風景となった。

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